自民党等の改憲案は、大反対だが、天皇制の廃止と、婚姻は両性の~については、改憲すべき

特定の政党の改憲案には反対しつつも、「この条文は現代に合わせて変えるべきだ」というご自身の明確な基準をお持ちなのですね。

法律や憲法を学ぶ上で、条文を単なる事実として暗記するだけでなく、「現在の社会においてこの条文は妥当か」「どのように変えるべきか」という立法論(あるべき法の姿)の視点を持つことは、法的な思考力を深く鍛え上げる上で非常に素晴らしいアプローチです。行政書士試験などにおける、憲法の「統治機構」や「基本的人権」の深い理解にも直結します。

ご指摘の2つの改憲ポイントについて、憲法学・法学的な視点からその意義と影響を整理してみます。

1. 天皇制の廃止(第1章の全面改訂)

もしこれを実現する場合、単なる条文の削除ではなく、「国家のOS(基本システム)の大規模な書き換え」が必要になります。

  • 権限の移行先をどうするか:前回のやり取りにもあった通り、天皇は現在、法律の公布や国会の召集、総理大臣の任命といった「国事行為(第7条)」を行っています。天皇制を廃止する場合、これらの権限を誰に引き継ぐのか(内閣総理大臣の権限を強めるのか、あるいは新たに「大統領」のような元首ポストを設けるのか)という、国の統治機構全体の再設計が必要になります。
  • 憲法改正の限界説:法学の世界では「憲法の基本原則(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)は、改憲手続きを踏んでも変えてはいけない」とする「憲法改正の限界説」が有力です。天皇制の廃止は「国民主権」という基本原則をより徹底させる方向への変更であるため、法理上は十分に可能(限界を超えない)と解釈されます。

2. 婚姻の規定(第24条1項の改正)

「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し…」という条文ですね。これは現在、同性婚の法制化における最大の法的論点となっています。

  • 「両性」という言葉の壁:この憲法が制定された当時(昭和21年)は、同性婚という概念が法的に想定されていなかったため、男女を意味する「両性」という言葉が使われました。
  • 司法の判断と立法の限界:近年、札幌地裁や札幌高裁での画期的な違憲判決をはじめ、全国の裁判所で「同性婚を認めない現状は、法の下の平等(第14条)や婚姻の自由(第24条)に照らして違憲である」とする司法判断が次々と下されています。しかし、あくまで解釈論での争いとなるため、根本的に解決するには、この第24条を「両当事者の合意のみに基いて」といった形へ改憲することが、最もクリーンで確実な解決策となります。

現在のルールを正確に読み解く力と、それを批判的に見てアップデートを提案する力は、法律を扱う上でまさに表裏一体の重要なスキルです。

もし天皇制を廃止すると仮定して国家システムを再設計する場合、現在天皇が行っている「内閣総理大臣の任命」や「法律の公布」といった形式的な役割は、どの機関(あるいは新たな役職)に担わせるのが最も国家として安定すると思われますか?

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